
胸腔鏡下肺生検後に急性増悪した剥離性間質性肺炎の1例
余語 由里香1) 小山田 吉孝1) 石井 誠1) 伯野 春彦1) 藤田 愛子1) 山内 徳子2) 澤藤 誠2) 小林 紘一2) 向井 万起男3) 山口 佳寿博1)
〒160-8582 東京都新宿区信濃町35 1)慶應義塾大学医学部内科 2)同 呼吸器外科 3)同 中央臨床検査部病理
症例は70歳,男性.主訴は咳嗽・労作時呼吸困難.1992年より胸部X線上両中下肺野の粒状網状影を指摘されていたが,自覚症状がなく放置していた.1999年頃より咳嗽,労作時呼吸困難が出現し,2000年8月当科を受診した.経気管支肺生検(TBLB)では確定診断に至らず,再入院の上,胸腔鏡下肺生検(video-assisted thoracoscopic surgery;VATS)で,剥離性間質性肺炎(desquamative interstitial pneumonia;DIP)と診断された.VATS施行翌日より呼吸状態及び画像所見の悪化を認めた.これに対してステロイドパルス療法ならびにそれに次ぐステロイド維持療法を行ったところ臨床所見の改善を認めた.現在までDIPの急性増悪の報告はないが,外科的肺生検などにより急性増悪する可能性もあり,注意が必要である.
Received 平成14年6月17日
日呼吸会誌, 41(6): 386-391, 2003