![全文PDF](img/ico_pdf_full.gif)
閉塞型睡眠時無呼吸低呼吸症候群患者における経鼻的持続陽圧呼吸の副作用とアドヒーランス
〒143-8541 東京都大田区大森西6-11-1 東邦大学医学部呼吸器内科
閉塞型睡眠時無呼吸低呼吸症候群(OSAHS)に対する経鼻的持続陽圧呼吸(nCPAP)の副作用,アドヒーランスを検討した.対象はOSHAS患者321例で,すべて終夜睡眠ポリグラフ検査を行い,manualでnCPAP圧のtitrationを行った.nCPAPの副作用は鼻症状,エアリーク,マスクに関するものが多く,ついで睡眠障害,咽頭・口腔内乾燥,騒音,CPAP圧が強く感じるという順で認められ,副作用のまったくないものは13%であった.nCPAPを処方した患者のうち,使用時間を測定可能な機種を使用していた122名の患者におけるアドヒーランスは73.0%と良好であり,平均使用時間は4.7±1.8時間であった.平均使用時間と年齢,BMI,ESS,nCPAP圧,AHI,Ar-I,ODI,lowest SpO2,%TST with SpO2<90%との間に相関は認められなかった.多変量回帰分析においても有意な関連を示すものは無かった.副作用対策のための指導が,使用時間の増加に結びついている可能性が考えられた.
閉塞型睡眠時無呼吸低呼吸症候群 経鼻的持続陽圧呼吸 アドヒーランス 副作用
Received 平成15年5月8日
日呼吸会誌, 42(2): 127-131, 2004