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間質性肺炎におけるシクロスポリン(ネオーラル)の血中濃度モニタリングに関する検討
井上 哲郎 田中 栄作 加藤 晃史 櫻本 稔 水口 正義 前田 勇司 馬庭 厚 寺田 邦彦 田口 善夫
〒632-8552 奈良県天理市三島町200 天理よろづ相談所病院呼吸器内科
シクロスポリンマイクロエマルジョン製剤(ネオーラル)の血中濃度―時間曲線下面積(AUC)は,臨床効果,安全性とよく相関し至適投与量のもっともよい指標とされている.今回われわれは,間質性肺炎症例計10例においてネオーラル服用後4時間のAUC(AUC0-4)を測定し,至適モニタリングのための採血時間との相関性について検討した.その結果,AUC0-4と各採血時間における血中濃度との相関は,服用2時間後の血中濃度(C2)がr2=0.71ともっとも高く,服用前血中濃度(トラフ値)ではr2=0.39にとどまった.従来モニタリングとして用いられてきたトラフ値より,C2モニタリングのほうが有用である可能性が示唆された.
シクロスポリン 間質性肺炎 ネオーラル 治療薬物モニタリング 血中濃度―時間曲線下面積
Received 平成15年8月4日
日呼吸会誌, 42(2): 153-157, 2004