健康食品(ニューアイリタン®)による薬剤性肺障害の1例
瀧口 純司a 坂本 浩一a 張田 幸b 岡村佳代子a 兪 陽子a 大西 一男a
a神戸労災病院内科
b済生会滋賀県病院
症例は56歳女性.入院1ヶ月前から健康食品(ニューアイリタン®)を服用し,2週間前から乾性咳嗽が出現した.胸部X線写真で両下肺野に浸潤影を指摘され神戸労災病院内科入院となった.胸部CTでは両下葉および右中葉,左舌区の胸膜直下に分布する浸潤影を認めた.気管支肺胞洗浄液はリンパ球比率が36%と上昇し,CD4/CD8の低下を認めた.経気管支肺生検では肺胞腔内に肉芽腫組織の形成を認め,器質化肺炎と診断した.また健康食品の内服中止のみで自覚症状および画像上の改善がみられたため,同健康食品による肺障害と診断した.本症例はニューアイリタン®により肺障害が起こった最初の報告例である.
Received 31 May 2011 / Accepted 13 Feb 2012
連絡先:瀧口 純司
〒651-0053 兵庫県神戸市中央区籠池通4-1-23
神戸労災病院内科
日呼吸誌, 1(5): 394-398, 2012