メトトレキサート関連リンパ増殖性肺疾患が疑われた2例
清水 崇a 手塚 貴文b 伊藤 和彦b 齋藤 泰晴a 塚田 弘樹b 大平 徹郎a
a西新潟中央病院呼吸器センター内科
b新潟市民病院呼吸器内科
メトトレキサート(methotrexate:MTX)の内服は,リンパ増殖性疾患の発症リスクを増加させる因子として知られている.今回我々は,MTX関連リンパ増殖性肺疾患の2例を経験した.症例1は76歳の男性で,3年前より関節リウマチに対してMTXによる治療が行われていたが,胸部CTにて両肺多発結節影を指摘された.症例2は68歳の女性で,10年前より関節リウマチに対してMTXによる治療が行われていたが,CTで両肺多発腫瘤影および肝腫瘤影,副腎腫瘤影を指摘された.組織学的検査では,2例とも腫瘤内部は壊死となっており免疫染色にてCD20が陽性であった.2例ともMTXの中止によりリンパ増殖性肺疾患の改善を得ることができた.
メトトレキサート関連リンパ増殖性疾患 メトトレキサート リンパ増殖性疾患 リンパ腫 関節リウマチ
Received 1 Aug 2013 / Accepted 31 Oct 2013
連絡先:清水 崇
〒950-2085 新潟市西区真砂1-14-1
西新潟中央病院呼吸器センター内科
日呼吸誌, 3(2): 245-250, 2014