多発結節影と間質性陰影が2ヶ月で自然寛解した血管免疫芽球性T細胞リンパ腫の1例
三島 有華a 今瀬 玲菜a 八木 太門a 尾形 朋之a 土屋 公威b 稲瀬 直彦b
aJAとりで総合医療センター呼吸器内科
b東京医科歯科大学呼吸器内科
症例は71歳,女性.3ヶ月前に全身の皮疹に対し皮膚生検を行い核異型のあるCD3陽性CD10陽性リンパ球の浸潤を認め,血管免疫芽球性T細胞リンパ腫と診断された.慢性咳嗽のため当科受診し,胸部CTにて両肺多発結節影とびまん性間質性陰影を認めた.胸腔鏡下肺生検の組織では,異型の弱いCD3陽性リンパ球の集簇と背景肺に散在する肉芽腫を認めた.肺病変は反応性のリンパ球浸潤とサルコイド反応を示すと考えられ,2ヶ月後に自然消失した.
血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL) 結節影 間質性陰影 サルコイド反応
Received 11 Oct 2014 / Accepted 16 Feb 2015
連絡先:三島 有華
〒302-0022 茨城県取手市本郷2-1-1
JAとりで総合医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 4(3): 240-243, 2015