グルコサミン製剤に含有された漢方成分が原因と考えられた薬剤性肺炎の1例
上沼 康範a 榎本 泰典a,b 幸田 敬悟a 阿部 岳文a 横村 光司a 須田 隆文b
a聖隷三方原病院呼吸器センター内科
b浜松医科大学内科学第二講座
症例は61歳,女性.抗菌薬不応性の肺炎のため当科入院となった.胸部CTでは両側性の浸潤影,すりガラス様陰影を認めた.無治療で軽快し退院したが,10日後に再び同様の陰影を呈し再入院となった.病歴再聴取にて,もともと服用していた市販のグルコサミン製剤を入院1ヶ月前に変更していたこと,また入院中は中止していたが,退院後に再開していたことが判明した.変更後の製剤には漢方成分が含有されており,本成分による薬剤性肺炎と考えられた.サプリメントの副成分に対しても注意を喚起する貴重な症例として報告する.
Received 16 Dec 2014 / Accepted 1 Apr 2015
連絡先:榎本 泰典
〒433-8558 静岡県浜松市北区三方原町3453
聖隷三方原病院呼吸器センター内科
日呼吸誌, 4(4): 323-326, 2015