ジアフェニルスルホン併用中にST合剤で発症したメトヘモグロビン血症の1例
新福 響太a 合地 美奈a 髙橋 直子a 稲木 俊介a 髙木 正道a 桑野 和善b
a東京慈恵会医科大学附属柏病院呼吸器内科
b同 内科学講座呼吸器内科
症例は74歳女性,主訴は労作時呼吸困難であった.皮膚動脈炎に対しDDS,ST合剤を内服していた.ST合剤内服開始1ヶ月後に症状が出現した.SpO2とPaO2の乖離を認め,MetHb値が高値であった.病歴を踏まえ薬剤性MetHb血症と診断した.DDSも被疑薬だったが,まずST合剤を中止しMetHb値と症状改善を認めた.SpO2とPaO2が乖離する呼吸困難の鑑別として,薬剤性MetHb血症は重要であり報告する.
Received 10 Jun 2017 / Accepted 9 Nov 2017
連絡先:新福 響太
〒277–8567 千葉県柏市柏下163–1
日呼吸誌, 7(1): 59-62, 2018