結核性腹膜炎に静脈血栓塞栓症を併発した1例
京都中部総合医療センター呼吸器内科
症例は91歳男性.2週間前からの発熱と下痢を主訴に当院を受診した.胸腹部造影CTで腹膜炎を疑う腹水貯留と腹膜肥厚がみられ,また,右肺動脈主幹部に静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism:VTE)を認めた.腹水中ADAが高値のため,腹腔鏡検査を施行し,結核性腹膜炎と診断した.抗結核薬を開始し,VTEについてはヘパリン(heparin)の投与後に,エドキサバン(edoxaban)投与を行った.いずれの疾患も改善を認めた.結核性腹膜炎にVTEを併発した症例は稀であり,報告する.
Received 1 Apr 2018 / Accepted 3 Jul 2018
森本 健司
〒602‒0197 京都府南丹市八木町八木上野25
京都中部総合医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 7(5): 321-324, 2018