胸腔鏡下肺生検で診断した軽症の多中心性キャッスルマン病の1例
佐伯 翔a 西山 理a 田中 伴典b 佐野安希子a 岩永 賢司a 東田 有智a
a近畿大学医学部呼吸器・アレルギー内科
b同 病理学教室
症例は58歳男性.前医で右鼠径リンパ節腫脹に対して生検を施行されたが診断がつかなかった.その際に胸部異常陰影も指摘されたが,自己判断で放置していた.その後,検診で胸部異常陰影,高ガンマグロブリン血症,脾腫を指摘され当科紹介となり診断のため外科的肺生検を施行した.生検の結果小葉間隔壁および周囲の肺胞隔壁に形質細胞の浸潤を認め,HHV-8染色でも陰性であった.前医のリンパ節生検でもリンパ濾胞周囲に形質細胞が認められ,多中心性キャッスルマン病と診断した.呼吸機能障害を認めず軽症の症例と考えられた.
Received 8 Mar 2018 / Accepted 31 May 2018
西山 理
〒589–8511 大阪府大阪狭山市大野東377–2
近畿大学医学部呼吸器・アレルギー内科
日呼吸誌, 7(5): 342-346, 2018