経過観察中に神経サルコイドーシスによる水頭症を発症したサルコイドーシスの1例
高知医療センター呼吸器内科
症例は27歳男性.近医にて胸部異常影を指摘され当科を紹介受診し,胸部単純CTで多発結節影,両側肺門と縦隔リンパ節腫大を認めた.気管支・肺生検にて類上皮細胞肉芽腫を認め,サルコイドーシスと診断した.経過観察1年後に肺サルコイドーシスの改善がみられたが,同時期に記銘力低下と頭痛が出現した.頭部造影MRIで水頭症と髄膜に造影効果のある多発小結節影を認めた.神経内視鏡検査で中脳水道の閉塞を認め,第3脳室底開窓術を行った.髄膜結節の生検にて類上皮細胞肉芽腫を認め,神経サルコイドーシスによる水頭症と診断した.
Received 13 Nov 2018 / Accepted 27 Dec 2018
山根 高
〒781–8555 高知県高知市池2125–1
高知医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 8(2): 128-132, 2019