肺扁平上皮癌に対しニボルマブ投与中に結核性心膜炎を発症した1例
石川県立中央病院呼吸器内科
症例は69歳,女性.肺扁平上皮癌(cT4N3M1a,Stage ⅣA)に対する2次治療としてニボルマブ(nivolumab)を開始した.Partial responseを得て,12ヶ月間継続した後,心嚢水の増加を認めた.心嚢ドレナージの結果,心嚢水より悪性細胞は検出されず,結核菌培養陽性が判明し結核性心膜炎と診断した.ニボルマブ投与は中止し抗結核化学療法を開始したところ経過良好であり,治療効果としてはpartial responseを維持している.免疫チェックポイント阻害薬投与中に心嚢水の増加を認めた際には結核性心膜炎の発症も念頭に精査を進める必要がある.
ニボルマブ 免疫チェックポイント阻害薬 肺扁平上皮癌 結核性心膜炎
Received 7 Oct 2019 / Accepted 23 Jan 2020
西 耕一
〒920–8530 石川県金沢市鞍月東2–1
石川県立中央病院呼吸器内科
日呼吸誌, 9(3): 174-177, 2020