EGFR G719A変異陽性肺腺癌の癌性髄膜炎にアファチニブが奏効した1例
兼定 晴香 田口 禎浩 甲田 拓之 梶原浩太郎 牧野 英記 兼松 貴則
松山赤十字病院呼吸器内科
53歳,女性.脳転移を合併したEGFR G719A変異陽性肺腺癌.20XX年5月に嘔気と頭痛が出現し,頭部造影MRIで脳表に多発する造影効果を,髄液細胞診で腺癌を認め,肺腺癌による癌性髄膜炎と診断した.アファチニブ(afatinib)を開始後,3日目より症状の改善と髄膜播種病変の縮小,髄液の悪性細胞の消失を3ヶ月間得た.アファチニブの髄液移行率は0.17%であった.本症例はアファチニブでEGFR G719A変異陽性肺腺癌による癌性髄膜炎をコントロールでき,予後やPSの改善を得た.
肺腺癌 EGFR G719A変異 癌性髄膜炎 アファチニブ 髄液移行率
Received 23 Oct 2019 / Accepted 7 Feb 2020
兼定 晴香
〒790–8524 愛媛県松山市文京町1
松山赤十字病院呼吸器内科
日呼吸誌, 9(3): 183-186, 2020