多発肺リウマチ結節が関節症状に先行した関節リウマチの1例
竹中 遥a,b 横尾 慶紀a,b 加藤 宏治b,c 山田 玄a 高橋 弘毅c 北村 康夫b
a手稲渓仁会病院呼吸器内科
b市立釧路総合病院呼吸器内科
c札幌医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科学講座
症例は66歳,男性.検診で胸部異常影を指摘され,胸部CTで両肺に多発結節影を認めた.転移性肺腫瘍を疑い,経気管支肺生検を施行したが悪性所見は認めなかった.外科的肺生検の結果,病理組織でフィブリノイド壊死と周囲のpalisading granulomaを認めた.経過観察中に出現した関節痛,抗CCP抗体とリウマチ因子陽性等から関節リウマチと診断し,多発結節影はリウマチ結節と考えた.ブシラミン(bucillamine)投与で関節症状は改善したが結節影が増大し,プレドニゾロン(prednisolone)を併用したところ結節影は次第に縮小し消失した.
Received 18 Sep 2019 / Accepted 29 Jan 2020
竹中 遥
〒006–8555 北海道札幌市手稲区前田1条12–1–40
手稲渓仁会病院呼吸器内科
日呼吸誌, 9(3): 196-199, 2020