当院におけるインフルエンザ入院診療,および抗インフルエンザ薬の影響
後藤 健一a 鳳山 絢乃a 野溝 岳a 長谷川浩一a 深田 寛子a 中村 保清a 北 英夫a 松下めぐみb
a高槻赤十字病院呼吸器内科
b同 感染管理室
当院のインフルエンザ入院診療における,治療薬の影響の評価を目的として,2016年11月から2019年4月までの当院のインフルエンザ入院症例について,カルテ上から情報を取得した.結果としては,188例[オセルタミビル(oseltamivir)50例,ペラミビル(peramivir)95例,ザナミビル(zanamivir)2例,ラニナミビル(laninamivir)5例,バロキサビル マルボキシル(baloxavir marboxil)34例,不使用2例]で,180例に重症化のrisk因子があり,平均解熱期間(2.51±2.20日)および死亡数(16例)に,薬剤間で有意な差はなかった.結論として,重症例の多い入院症例でも,薬剤間で治療成績に差がなかった.
Received 23 Dec 2019 / Accepted 25 Mar 2020
後藤 健一
〒569–1096 大阪府高槻市阿武野1–1–1
高槻赤十字病院呼吸器内科
日呼吸誌, 9(4): 239-244, 2020