ウコンによる薬剤性肺障害の1例
板井真梨子a 重永 武彦a 宮崎 周也a 増野 智章a 畑 正広a 門田 淳一b
a大分赤十字病院呼吸器内科
b大分大学医学部呼吸器・感染症内科学講座
症例は59歳,男性.ウコンのサプリメント摂取2週間後,呼吸困難にて近医入院.発熱と低酸素血症を認め,CTにて両肺にすりガラス陰影を認めた.入院後もウコン内服が継続され,病状が悪化したため当科転院となった.KL-6上昇,気管支肺胞洗浄液中リンパ球増多,経気管支肺生検にて胞隔炎像を認め,他の病因を除外のうえ,ウコンによる薬剤性肺障害を疑った.ウコンの薬剤リンパ球刺激試験は陽性であった.ウコン中止とステロイド治療により症状・胸部陰影の改善を認め,ウコンによる薬剤性肺障害の初めてのケースと思われた.
Received 14 Nov 2019 / Accepted 27 Mar 2020
板井 真梨子
〒870–0033 大分県大分市千代町3–2–37
大分赤十字病院呼吸器内科
日呼吸誌, 9(4): 266-270, 2020