外科的肺生検で診断が確定したIgG4関連呼吸器疾患の1例
渡邉 菜摘a 杉野 圭史a 小野 紘貴a 安藤 真弘a 五十嵐誠治b 坪井 永保a
a慈山会医学研究所付属坪井病院呼吸器内科
b同 病理診断科
69歳,男性.乾性咳嗽と胸部異常陰影で紹介受診した.3ヶ月後より両肺の網状陰影に加え胸水貯留,縦隔リンパ節腫大などの多彩な病変が出現し,血清IgG4 475mg/dLと上昇していた.胸腔鏡下肺生検を施行し,胸膜,小葉間および気管支血管束周囲間質,肺胞壁内,リンパ節内に多数のIgG4陽性形質細胞の浸潤,閉塞性血管炎の所見を認めた.以上よりIgG4関連呼吸器疾患と診断し,プレドニゾロン(prednisolone:PSL)30mg/日を開始したところ,胸水は減少し,肺内病変は著明に改善した.
Received 29 Mar 2021 / Accepted 16 Jul 2021
杉野 圭史
〒963–0197 福島県郡山市安積町長久保1–10–13
慈山会医学研究所付属坪井病院呼吸器内科
日呼吸誌, 10(5): 427-431, 2021