急性呼吸促迫症候群で発症したLemierre症候群の1例
小澤 亮太 倉石 博 武内 裕希 山本 学 増渕 雄 小山 茂
日本赤十字社長野赤十字病院呼吸器内科
70歳女性.頸部痛,発熱,呼吸困難で当院に転院搬送.感染源不明の敗血症性ショック,敗血症性肺塞栓症による多発肺化膿症,急性呼吸促迫症候群(acute respiratory distress syndrome:ARDS),播種性血管内凝固,急性腎障害と診断した.人工呼吸管理下で鑑別に苦慮したが,第5病日のMRIで頸椎硬膜外膿瘍と後頸部静脈の化膿性血栓性静脈炎を認め,Lemierre症候群と診断した.抗菌薬で改善し,第73病日に退院した.Lemierre症候群では肺に遠隔感染巣を高頻度に伴うため,呼吸器内科医はその病態を理解する必要がある.
Lemierre症候群 敗血症性肺塞栓症 急性呼吸促迫症候群
Received 12 Aug 2021 / Accepted 8 Oct 2021
倉石 博
〒380–8582 長野県長野市若里5–22–1
日本赤十字社長野赤十字病院呼吸器内科
日呼吸誌, 11(1): 11-15, 2022