自己免疫性膵炎へのステロイド維持療法後にIgG4関連呼吸器疾患で再燃した1例
山形 祥世a 徳安 宏和a 大村那津美a 酒井 浩光a 石川総一郎a 山﨑 章b
a松江赤十字病院呼吸器内科
b鳥取大学医学部医学科統合内科医学講座呼吸器・膠原病内科学分野
症例は54歳男性.自己免疫性膵炎のためプレドニゾロン(prednisolone:PSL)40mg/日が開始された.PSLは5mg/日へ漸減され,治療開始より3年2ヶ月間で中止となった.その頃より乾性咳嗽が出現し,胸部CTで気管支壁肥厚,すりガラス陰影,右下葉の多発不整形陰影を認めた.血液検査で高IgG4血症を認め,経気管支肺生検によりIgG4関連呼吸器疾患と診断した.PSL 30mg/日で治療を開始し,咳症状,肺病変の改善を認め,PSL漸減中である.自己免疫性膵炎でステロイド維持療法後の肺病変でのIgG4関連疾患の再燃は稀である.
IgG4関連呼吸器疾患 IgG4関連疾患 自己免疫性膵炎 プレドニゾロン
Received 14 Sep 2021 / Accepted 5 Nov 2021
徳安 宏和
〒690–8506 島根県松江市母衣町200
松江赤十字病院呼吸器内科
日呼吸誌, 11(1): 31-36, 2022