ペムブロリズマブ投与中に肺Mycobacterium avium症が増悪した肺癌の1例
平林 太郎 曽根原 圭 野沢 修平 生山 裕一 小松 雅宙 花岡 正幸
信州大学医学部内科学第一教室
症例は74歳男性.肺腺癌ステージⅣB期の診断後,1次治療で細胞傷害性抗癌薬とペムブロリズマブ(pembrolizumab)併用治療を開始した.肺癌診断時,気管内分泌物の培養でMycobacterium aviumが同定された.治療開始13ヶ月後,肺癌は縮小を維持していたが,両肺の浸潤影が増悪した.ペムブロリズマブは休薬し,肺M. avium症に対して多剤併用治療を開始した.5ヶ月後,陰影は改善した.免疫チェックポイント阻害薬と肺M. avium症の関連は不明な点が多いため,貴重な症例と考え報告する.
肺癌 免疫療法 ペムブロリズマブ 肺非結核性抗酸菌症 マイコバクテリウム・アビウム
Received 24 Mar 2022 / Accepted 25 May 2022
曽根原 圭
〒390–8621 長野県松本市旭3–1–1
信州大学医学部内科学第一教室
日呼吸誌, 11(5): 301-304, 2022