冬季に再燃した抗Trichosporon asahii抗体陽性の過敏性肺炎の1例
高澤 聖子a 白井 剛a 河原 達雄b 岡本 師a 立石 知也a 宮﨑 泰成a
a東京医科歯科大学病院呼吸器内科
b秀和総合病院呼吸器内科
症例は73歳,女性.20XX年4月,咳嗽,労作時呼吸困難を自覚,同年6月の胸部CTで,びまん性粒状影,すりガラス陰影を認め,入院後無治療で改善したことから,急性過敏性肺炎と診断した.原因は血清抗Trichosporon asahii抗体が陽性であり,夏型過敏性肺炎が疑われたが,冬季にもかかわらず再燃した.問診で抗原を特定できず,12月に自宅の環境調査を行い,浴槽に汚染を認め,原因環境と考えられた.入浴の有無により2度の環境誘発試験を行い,入浴した場合のみ陽性となり,浴室内に原因抗原が存在することを特定した.
Received 26 Sep 2022 / Accepted 1 Dec 2022
高澤 聖子
〒113–8519 東京都文京区湯島1–5–45
東京医科歯科大学病院呼吸器内科
日呼吸誌, 12(2): 69-73, 2023