間質性肺炎に合併した肺衝突癌の1例
三好 誠吾a 伊東 亮治a 湯汲 俊悟b 田邉美由紀a 廣瀬 未優c 北澤 荘平d 阿部 聖裕a
a独立行政法人国立病院機構愛媛医療センター呼吸器内科
b同 呼吸器外科
c市立宇和島病院呼吸器内科
d愛媛大学大学院医学系研究科分子病理学講座
症例は73歳,男性.上行結腸癌の術後経過で緩徐に増大する肺結節影を認め,当院を紹介受診した.CTでは左舌区に,周囲にすりガラス陰影を伴う結節影と,両下葉に間質性肺炎と思われる網状陰影を認めた.転移性肺癌が疑われ左上葉部分切除術を施行した.病理検査で結節部が扁平上皮癌,すりガラス部が腺癌の衝突癌と診断した.衝突癌は雪ダルマ型陰影となる報告が多く,すりガラス陰影を伴う結節影の報告はみられなかった.本症例のような間質性肺炎合併例では術前診断は難しく,切除標本の詳細な病理学的検索が重要であると考えられた.
Received 1 Nov 2022 / Accepted 17 Jan 2023
三好 誠吾
〒791–0281 愛媛県東温市横河原366
独立行政法人国立病院機構愛媛医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 12(3): 138-143, 2023