胸水pH値が8.0と高値を示した膿胸の1例
高松市立みんなの病院呼吸器外科
通常膿胸の胸水pHは低下するが,起因菌によっては上昇する.胸水pHが8.0と高値の膿胸症例を経験したため報告する.71歳男性.右側胸部痛で受診し急性胸膜炎と診断.抗菌薬投与で炎症反応は改善せず胸水増加を認め当院紹介となった.前医検査で胸水pH 8.0であった.炎症反応が高値で,胸水腔は多房化し,胸腔ドレナージでの改善は見込めず,胸腔鏡下右膿胸腔郭清+肺剥皮術を施行.術中採取胸水はpH 6.423,NH3 500μg/dLで,培養検査によりParvimonas micra,Prevotella buccaeを検出した.
Received 7 Dec 2022 / Accepted 27 Jan 2023
多々川 貴一
〒761–8538 香川県高松市仏生山町847–1
高松市立みんなの病院呼吸器外科
日呼吸誌, 12(3): 160-163, 2023