手術および複合免疫療法が奏効したⅣ期G-CSF産生肺癌の1例
杉本 英司a 長井 敦a 山本 遥加a 上田 創a 廣瀬 未優b 山口 修a
a愛媛大学大学院医学系研究科循環器・呼吸器・腎高血圧内科学講座(第二内科)
b市立宇和島病院呼吸器内科
36歳男性.G-CSF産生肺癌(cStage ⅡB)の診断で根治切除を予定していたが,術中所見で胸腔内に播種結節を認めpStage ⅣAと判断した.腫瘍からのG-CSF産生による高熱の持続・performance statusの低下,化学療法抵抗性などを考慮し,腫瘍量減量目的に外科的切除および残存腫瘍に対してカルボプラチン(carboplatin)+パクリタキセル(paclitaxel)+ベバシズマブ(bevacizumab)+アテゾリズマブ(atezolizumab)の投与を行った.画像上complete responseが得られ,ベバシズマブ+アテゾリズマブの維持療法へ移行後も長期間腫瘍の再発なく経過している.
顆粒球コロニー刺激因子産生肺癌 集学的治療 免疫チェックポイント阻害薬 血管新生阻害薬
Received 25 Jan 2023 / Accepted 19 Jun 2023
杉本 英司
〒791–0295 愛媛県東温市志津川454
愛媛大学大学院医学系研究科循環器・呼吸器・腎高血圧内科学講座(第二内科)
日呼吸誌, 12(5): 275-278, 2023