エンドトキシン吸着,一酸化窒素吸入を行い救命し得た重症レジオネラ肺炎の1例
入山 朋子a 山口 将史a 中西 司b 角田 陽子a 成宮 慶子a 中野 恭幸a
a滋賀医科大学医学部附属病院内科学講座(呼吸器内科)
b滋賀県立総合病院呼吸器内科
症例は67歳男性.発熱と咳嗽を主訴に他院を受診したところ,胸部単純X線写真で右肺の浸潤影と尿中レジオネラ抗原陽性を認め,レジオネラ肺炎と診断された.抗菌薬による治療が開始されたが,急激な状態悪化をきたしたため当院に転院搬送となった.搬送時,重症の呼吸不全と敗血症性ショックを認めたため,気管挿管のうえでエンドトキシン吸着療法,一酸化窒素吸入療法を含む集中治療を行い,重篤な状態から救命し得た.予後の厳しい重症レジオネラ肺炎例に対して,エンドトキシン吸着療法,一酸化窒素吸入療法は有用である可能性が示唆された.
Received 26 Apr 2023 / Accepted 12 Jun 2023
山口 将史
〒520–2192 滋賀県大津市瀬田月輪町
滋賀医科大学医学部附属病院内科学講座(呼吸器内科)
日呼吸誌, 12(5): 288-292, 2023