ニボルマブ・イピリムマブによる難治性喘息に対してメポリズマブが奏効した1例
大貫 友博 平野 彩未 戸田 早苗 榊原 一平 松波舞衣子 沓名 健雄
社会医療法人宏潤会大同病院呼吸器内科
症例は73歳,男性.悪性胸膜中皮腫にてニボルマブ(nivolumab)とイピリムマブ(ipilimumab)併用療法を開始し部分奏効が得られた.3コース目終了直前より夜間就寝時に乾性咳嗽,喘鳴が出現し,気管支喘息と診断した.重症持続型喘息に準じた増悪予防治療を行うも高度増悪を短期間に2回頻発したため,メポリズマブ(mepolizumab)を開始し,その後症状は改善した.PD-1,PD-L1/PD-L2を標的とする治療と気管支喘息発症の関連が報告されており,注意を要すると考える.
ニボルマブ イピリムマブ 気管支喘息 悪性胸膜中皮腫 メポリズマブ
Received 12 Jun 2023 / Accepted 10 Aug 2023
大貫 友博
〒457–8511 愛知県名古屋市南区白水町9
社会医療法人宏潤会大同病院呼吸器内科
日呼吸誌, 12(6): 314-318, 2023