ペムブロリズマブによる長期のICI投与中にACTH単独欠損症を発症した1例
新潟県立中央病院内科
肺腺癌に対してペムブロリズマブ(pembrolizumab)による4年以上の免疫チェックポイント阻害薬投与中の73歳男性が食欲低下,全身倦怠感のため受診した.血液検査で低Na血症,好酸球数の増加を認めた.精査を行い,ACTH単独欠損症と診断した.その経過からペムブロリズマブの免疫有害事象によるものと考えられた.免疫チェックポイント阻害薬を長期に投与している状況においてもACTH単独欠損症は起こりえるため,常に免疫有害事象を疑って必要な内分泌検査を行うことが重要である.
ACTH単独欠損症 免疫チェックポイント阻害薬 ペムブロリズマブ 免疫有害事象
Received 9 Jun 2023 / Accepted 17 Aug 2023
眞水 飛翔
〒943–0192 新潟県上越市新南町205
新潟県立中央病院内科
日呼吸誌, 12(6): 324-328, 2023