線維性胸膜炎との鑑別に難渋した線維形成型胸膜中皮腫の1剖検例
小堀 朋子a 川述 剛士a 鈴木 祐平a 鈴木 峻輔a 大友 梨恵b 河野千代子a
aJR東京総合病院呼吸器内科
b同 臨床検査科
症例は58歳男性.3週間前から咳嗽を自覚し,20XX年11月16日に当科を受診した.右胸水貯留を認めるも検査では診断に至らず,胸腔鏡下胸膜生検で線維性胸膜炎の診断であった.7ヶ月後に左胸水貯留も認め,胸水のコントロールはつかず,初診から1年後に死亡した.生前に確定診断に至らず,剖検で線維形成型胸膜中皮腫と診断した.中皮腫のなかでも稀な組織型であり,わが国での既報の検討を交えてここに報告する.
Received 22 Mar 2023 / Accepted 31 Aug 2023
小堀 朋子
〒151–8528 東京都渋谷区代々木2–1–3
JR東京総合病院呼吸器内科
日呼吸誌, 12(6): 343-347, 2023