非線維性過敏性肺炎の原因抗原の一つとして沖縄そばの打ち粉の可能性が考えられた1例
比嘉真理子a 大湾 勤子a 比嘉 慧b 具志堅弘樹c 久田 友哉a 知花 賢治a
a独立行政法人国立病院機構沖縄病院呼吸器内科
b社会医療法人敬愛会中頭病院総合内科
c沖縄県立宮古病院呼吸器内科
症例は40歳代の喫煙男性,沖縄そばの手打ち職人歴4年.酸化澱粉を主成分とする打ち粉の使用開始後に発熱と咳嗽が出現し,HRCT,BAL液,TBLBの所見から非線維性過敏性肺炎と診断した.打ち粉に対するリンパ球刺激試験が陽性となり,自宅と職場の曝露や打ち粉非使用下の製麺作業では症状は誘発されず,打ち粉の中止後再発なく経過した.抗Trichosporon asahii抗体と鳥特異的IgG抗体も陽性で経過中に化学スプレーの使用歴もあり抗原特定は困難であったが,原因の一つとして打ち粉の可能性が考えられた.
非線維性過敏性肺炎 酸化澱粉 打ち粉 穀物粉塵 リンパ球刺激試験
Received 16 Aug 2024 / Accepted 21 Aug 2024
比嘉真理子
〒901-2214 沖縄県宜野湾市我如古3-20-14
独立行政法人国立病院機構沖縄病院呼吸器内科
日呼吸誌, 13(6): 287-291, 2024