サルコイドーシスを伴い診断に難渋したリンパ腫様肉芽腫症の1例
本橋 遥 石割茉由子 河野 雄太 山口 優樹 水島 麗生 阿部 信二
東京医科大学呼吸器内科学分野
症例は68歳男性.前立腺癌の化学放射線治療後,経過観察中に腹腔内リンパ節腫大を指摘された.低悪性度B細胞リンパ腫が疑われるも確定診断は得られず,その後両側肺に新規結節影を認め当科紹介となる.FDG-PETで集積のある鼠径リンパ節生検で類上皮肉芽腫を認めた.増大する肺病変に対し胸腔鏡下部分切除術を行いリンパ腫様肉芽腫症の診断に至った.サルコイドーシスの経過中に悪性リンパ腫を発症することがあり,活動性が高い病変へのアプローチが早期診断の一助となる.
Received 6 Aug 2024 / Accepted 7 Aug 2024
石割 茉由子
〒160–0023 東京都新宿区西新宿6–7–1
東京医科大学呼吸器内科学分野
日呼吸誌, 13(6): 296-300, 2024