

播種型Nocardia pseudobrasiliensis感染症の1例
石黒 卓a 渡邉 哲b 小林 洋一a 樋口 翔大c 須江 義孝c 矢口 貴志b
a埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
b千葉大学真菌医学研究センター
c埼玉県立循環器・呼吸器病センター検査技術部
関節リウマチ,皮膚筋炎と間質性肺炎に対してステロイド,免疫抑制薬,ST合剤を投与されていた66歳女性が右胸痛と呼吸困難を主訴に入院した.喀痰からNocardia pseudobrasiliensisが培養され,感受性検査に基づいてレボフロキサシン(levofloxacin:LVFX)を投与,一時的に改善した.しかし再び症状が悪化,多発肺結節,脳および甲状腺にも結節が出現した.甲状腺からN. pseudobrasiliensisが分離され,抗菌薬の変更後は改善して転院した.
Nocardia pseudobrasiliensis ノカルジア症 β-D-グルカン 薬剤感受性検査 播種型
Received 20-Sep-24 / Accepted 9-Dec-24
石黒 卓
〒360-0197 埼玉県熊谷市板井1696
埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
日呼吸誌, 14(2): 72-76, 2025