

慢性閉塞性肺疾患患者における健康寿命の関連因子
矢野志帆理a 新貝 和也a,b,c 池内 智之a,b 森 大地a 井元 淳d 一木 克之e 自見 勇郎e 河野 哲也e 加藤 香織e 津田 徹e
a霧ヶ丘つだ病院呼吸リハビリテーションセンター
b長崎大学大学院医歯薬学総合研究科理学療法学分野
c霧ヶ丘つだ病院臨床研究室
d九州栄養福祉大学リハビリテーション学部
e霧ヶ丘つだ病院呼吸器内科
慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)患者82例を対象として健康寿命を算出し,その関連因子を検索した.また,抽出された関連因子のカットオフ値を算出し,カットオフ値を上回る群と下回る群に群分けして健康寿命を群間比較した.その結果,膝伸展筋力およびHospital Anxiety and Depression Scale(HADS)の抑うつスコアが健康寿命の独立した関連因子として抽出された.さらに,下肢筋力,抑うつスコアが不良な群は,良好な群と比較して健康寿命の終了リスクが2倍以上となっていた.COPD患者の健康寿命の延伸においては,抑うつおよび骨格筋筋力に焦点を当てた評価・介入が重要であると考えられた.
慢性閉塞性肺疾患 健康寿命 呼吸リハビリテーション 下肢筋力 抑うつ
Received 12 Dec 2024 / Accepted 21 Jan 2025
新貝 和也
〒802-0052 福岡県北九州市小倉北区霧ヶ丘3-9-20
日呼吸誌, 14(3): 101-107, 2025