

Nocardia pseudobrasiliensisによる播種性ノカルジア症の1例
我謝 正平a,b 赤嶺 盛和a 有馬聖志朗a,b 那覇 唯a 内原 照仁a 山本 和子b
a沖縄赤十字病院呼吸器内科
b琉球大学大学院医学研究科第一内科
肺ノカルジア症は日和見感染症として知られる稀な感染症である.免疫低下状態の患者で発症することが多く,全身に播種性病変をきたすことで知られる.今回胸水培養からNocardia pseudobrasiliensisが検出され,播種性病変として脳膿瘍の合併を認めた症例を経験した.シプロフロキサシン(ciprofloxacin:CPFX)を中心とした抗菌薬治療を計12ヶ月間行い各病変の消失を確認した.本菌はスルファメトキサゾール・トリメトプリム(sulfamethoxazole-trimethoprim)に耐性を示すことも多く,菌種の正確な同定と抗菌薬感受性試験が重要と考えられる.
Received 4 Oct 2024 / Accepted 21 Jan 2025
我謝 正平
〒901–2725 沖縄県宜野湾市喜友名1076番地b
日呼吸誌, 14(3): 131-135, 2025