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日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 検索用
日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 全文PDF

書誌情報

原 著

在宅酸素療法中の慢性呼吸器疾患患者における睡眠時低酸素血症

花田 伸英1)  阿部 直2)  高田 信和3)  土橋 ゆかり2)  冨田 友幸2) 

〒242-8602 神奈川県大和市深見西8-3-6 1)大和市立病院呼吸器科 2)北里大学医学部内科 3)北里大学医療衛生学部

要旨

在宅酸素療法(HOT)により日中安静覚醒時のPaO2が60Torr以上に維持されている慢性呼吸器疾患における,睡眠時低酸素血症(NOD)について検討した.肺結核後遺症(TB-sequela)群21例,慢性閉塞性肺疾患(COPD)TypeA群5例とTypeB群7例の,計33例を対象とした.各群間で日中安静覚醒時のPaO2に差はなかった.パルスオキシメーターを用いて睡眠中のSpO2をモニターし,全睡眠時間に対するSpO2が85%以下となる時間の割合をDesaturation(DST)85とした.肺機能検査を施行し得たTB-sequela 15例中6例でDST85が1%以上であり,その全例で安静覚醒時のPaCO2が50Torr以上,%VCが50%以下であった.COPDでは,TypeA,B間で差がなく,DST85が1%以上の症例はなかった.HOT中の慢性呼吸器疾患で安静覚醒時のPaO2が60Torr以上に維持されていても,NODが存在する例が多く,特に高炭酸ガス血症,あるいは拘束性換気機能障害を示すTB-sequelaでNODが著しかった.

キーワード

慢性閉塞性肺疾患  肺結核後遺症  酸素飽和度  パルスオキシメーター 

Received 平成11年2月12日

日呼吸会誌, 38(1): 17-23, 2000

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