日本呼吸器学会誌：サイクロスポリンとピルフェニドンにより症状の改善を認めた，難治性器質化肺炎・閉塞性細気管支炎と思われた1症例

Vol.38 No.1 目次

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原　著

サイクロスポリンとピルフェニドンにより症状の改善を認めた，難治性器質化肺炎・閉塞性細気管支炎と思われた1症例

黨　康夫佐野　靖之関谷　剛^＊小川　忠平大友　守鈴木　直仁荒井　康男^＊＊磯兼　則子^＊＊＊伊藤　幸治^＊＊＊＊

〒130-8587　東京都墨田区横網2-1-11　同愛記念病院アレルギー呼吸器科 ^＊国立国際医療センター呼吸器科 ^＊＊菊名記念病院副院長 ^＊＊＊同愛記念病院内科 ^＊＊＊＊同愛記念病院院長

要旨

ステロイド治療に抵抗し，サイクロスポリンとピルフェニドンの併用により症状の改善を認めた，難治性器質化肺炎・閉塞性細気管支炎（BOOP）の1症例を経験した．症例は27歳男性．発熱・労作時息切れを主訴に来院．生検にてBOOPと診断され，ステロイド治療で症状は一旦改善したが，ステロイド減量中に，症状の再燃傾向を認めたため再入院となった．ステロイドの再増量及びパルス療法を行ったが不応で，症状が急速に進行したため，サイクロスポリンを新規抗線維化剤のピルフェニドンとともに投与したところ，症状及び画像所見が改善し，ステロイド離脱に成功した．サイクロスポリンは膠原病肺，特発性間質性肺炎などへの臨床応用の報告があるが，線維化の進行しつつある難治性BOOPに対しても抗線維化剤のピルフェニドンとともに，有用な治療である可能性が示唆された．

キーワード

器質化肺炎閉塞性細気管支炎サイクロスポリンピルフェニドン気管支肺胞洗浄

Received 平成11年2月25日

日呼吸会誌, 38(1): 24-29, 2000

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