多発性肺襄胞を伴った多発結節性肺アミロイドーシスの1例
〒918-8501 福井市月見2-4-1 1)福井赤十字病院呼吸器外科 2)同 呼吸器科
症例は喫煙歴のない72歳,女性.慢性咳嗽にて受診し,胸部X線写真上両側の多発性結節陰影を認めた.胸部CT上,両側中下肺野を中心に,直径1cmまでの濃度均一な結節影が多発しており,小型肺嚢胞も多発していた.胸腔鏡下左肺生検を施行し,病理組織学的に結節型アミロイドーシスと診断された.上下部消化管内視鏡を含めた全身検索および血液検査で,他臓器のアミロイド沈着や血液疾患を疑わせる所見は認めなかったため,原発性肺アミロイドーシスと診断した.文献的考察とともに,本症例に合併した多発性肺嚢胞の形成機序も考察する.
Received 平成11年6月24日
日呼吸会誌, 38(1): 59-62, 2000