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日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 検索用
日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 全文PDF

書誌情報

原 著

閉塞性睡眠時無呼吸における口蓋垂軟口蓋咽頭形成術の効果―扁桃肥大の程度との関係―

福田 紀子1)  阿部 直1)  片桐 真人1)  横場 正典1)  岡本 牧人2)  冨田 友幸1) 

〒990-9585 山形市飯田西二丁目2の2 1)山形大学医学部臨床看護学講座 2)山形県立中央病院 3)長井市立総合病院 4)公立学校共済東北中央病院 5)鶴岡協立病院 6)本間病院 7)至誠堂総合病院 8)鶴岡市立荘内病院 9)国立療養所山形病院

要旨

閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)に対する口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)の効果を,術前の扁桃肥大の程度に基づき検討した.対象はOSA患者38例で,術前の扁桃所見をMackenzie分類により1,2,3度(M1,M2,M3)に分類した.M1は10例,M2は23例,M3は5例であった.睡眠時簡易呼吸モニター装置(アプノモニターII,チェスト・エムアイ社製)により無呼吸指数(AI)を測定した.同時に得られた動脈血酸素飽和度(SaO2)の波形から酸素飽和度低下指数(ODI),DST90およびDST85(それぞれ全睡眠時間に対するSaO2が90%,85%以下となる時間の割合)を求めた.その結果,全ての群においてUPPP後,ODIとDST90およびDST85が有意に改善し,扁桃肥大が高度な群ほど改善した.術後のODIが20未満かつ50%以上改善した症例をUPPPの成功例とすると,成功率は,M1群で10%,M2群で43%,M3群で80%であった.以上より,UPPPを行う際は扁桃肥大の程度が予後を予測する上で参考に成り得ると考える.

キーワード

閉塞性睡眠時無呼吸症候群  口蓋垂軟口蓋咽頭形成術  扁桃肥大 

Received 平成9年6月13日

日呼吸会誌, 36(1): 34-40, 1998

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