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日本呼吸器学会英文誌 Respiratory Investigation
日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 検索用
日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 全文PDF

書誌情報

原 著

気管支喘息治療によるhealth-related quality of lifeの改善についての検討

月野 光博  西村 浩一  羽白 高  池田 顕彦  小山 弘  泉 孝英 

〒606-8397 京都市左京区聖護院川原町53 京都大学胸部疾患研究所呼吸器内科

要旨

健康関連quality of life(Health-related quality of life,HRQoL)に対する喘息治療の効果を,喘息特異的なHRQoL調査票であるLiving With Asthma Questionnaire(LWAQ)日本語版を用いて検討した.34名の初診の喘息患者に対し,英国胸部学会喘息の管理に関するガイドライン(BTSガイドライン)に準じて吸入ステロイド薬を主とする治療を開始した.初診時,治療開始3・6カ月後にLWAQおよびスパイログラムを測定した.治療開始3カ月後には1秒量,努力肺活量およびLWAQは有意に改善し,6カ月後まで維持した.BTSガイドラインに準じた治療は,喘息患者における障害されたHRQoLを有意に改善させると考えられた.治療開始と3カ月後の比較では,1秒量および努力肺活量の改善はLWAQの改善と有意な相関を認めなかった.HRQoLの改善を知るには,肺機能の指標は十分でなく,HRQoLを直接評価することが必要である.

キーワード

気管支喘息  HRQoL  LWAQ  肺機能検査 

Received 平成9年5月19日

日呼吸会誌, 36(1): 41-45, 1998

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