亜急性に進行し,胸腔鏡下肺生検後に急性増悪した間質性肺炎の一例
田坂 定智1) 金沢 実1) 小宗 陽子1) 副島 研造1) 平形 道人1) 山口 佳寿博1) 成毛 聖夫2) 向井 万起男3) 河端 美則4) 小林 紘一2)
〒160-8582 東京都新宿区信濃町35 1)慶應義塾大学医学部内科学教室 2)同 外科学教室 3)慶應義塾大学病院病理診断部 4)埼玉県立小原循環器病センター検査部
症例は55歳,女性.進行性の呼吸困難のため入院し,胸腔鏡下肺生検で非定型的な間質性肺炎像を認めた.臨床経過,病理組織所見から河端らの提唱する亜急性間質性肺炎に近い病態と考えた.肺生検後4日目から急性増悪し,ステロイドパルス療法にも反応せず術後10日目に死亡した.亜急性間質性肺炎はステロイドへの反応性が良い,予後良好な病態と考えられているため報告した.
亜急性間質性肺炎 胸腔鏡下肺生検 ステロイドパルス療法 glycyl-transfer RNA synthetase
Received 平成9年4月3日
日呼吸会誌, 36(2): 182-186, 1998