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日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 検索用
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書誌情報

ミニレビュー

気道分泌の調節機構と病態生理

玉置 淳 

〒162-0054 東京都新宿区河田町8-1 東京女子医科大学第1内科

要旨

喀痰の増加は,急性・慢性気道感染,気管支拡張症,びまん性汎細気管支炎,慢性気管支炎,喘息などの呼吸器疾患で最も頻繁にみられる症候の1つであるが,かかる気道分泌亢進の病態生理は不明な点が多い.気管支内腔の過剰な気道分泌物は気道クリアランスの低下に基づく生体防御機能の障害を引き起こし,また閉塞性換気障害を増悪させ窒息の原因ともなりうる.気道液は主に粘膜下腺や杯細胞由来の粘液糖蛋白と気道上皮細胞由来の水分より構成されており,これらの分泌能は自律神経系やケミカルメディエーターをはじめ様々な因子による制御を受けている.したがって,気道過分泌あるいはそれに随伴する粘液線毛輸送障害の治療では,個々の病態における分泌異常のメカニズムを十分把握したうえで薬剤を選択する必要がある.

キーワード

粘液線毛輸送  粘液糖蛋白  イオン輸送  気道上皮細胞  粘液調節薬 

日呼吸会誌, 36(3): 217-223, 1998

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