日本呼吸器学会誌：遺伝子再構成を認めた肺リンパ腫6例の臨床病理学的検討

Vol.36 No.3 目次

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原　著

遺伝子再構成を認めた肺リンパ腫6例の臨床病理学的検討

森迫　隆弘^1）4）小林　英夫^1）菊間　英樹^1）叶　宗一郎^1）上部　泰秀^1）永田　直一^1）青木　輝浩^2）尾関　雄一^2）相田　真介^3）玉井　誠一^3）

〒359-0042　埼玉県所沢市並木3-2 ^1）防衛医科大学第3内科 ^2）同　第2外科 ^3）同　検査部 ^4）東京医科大学霞ヶ浦病院内科　

要旨

遺伝子再構成を確認した肺原発リンパ腫6例の臨床病理学的特徴を報告した．症例は，男性3例，女性3例，平均59.6歳で，全例検診で胸部異常影を指摘された．2例にシェーグレン症候群を，1例にIgM-λ型のM蛋白血症を認めた．組織所見は全例とも小型リンパ球様細胞のびまん性増殖を認める，びまん性小細胞型リンパ腫（B-cell型）で，lymphoepithelial IesionとLIP様所見は各々3例づつに認めた．CT上，病変は辺縁不整で，air space consolidationを主体とし，air bronchogramを全例に，CT angiogram signは2例に認めた．経気管支生検あるいは切除肺を用いた，southern blot法による遺伝子解析で全例に遺伝子再構成を認めmonoclonarityが証明された．　臨床的特徴として，画像上辺縁不整でairspace consolidationを主体とした陰影とair bronchogramが全例に見られ，この所見は病理学的な確認も得られており，鑑別に有用と考えられた．

キーワード

肺原発リンパ腫遺伝子解析 CT LIP 経気管支肺生検

Received 平成9年6月4日

日呼吸会誌, 36(3): 236-240, 1998

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