日本呼吸器学会誌：簡易宿泊施設での外来性再感染肺結核と思われる症例の検討

Vol.36 No.4 目次

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症　例

簡易宿泊施設での外来性再感染肺結核と思われる症例の検討

川田　博中西　好子^＊高原　誠中山　雅晴豊田　恵美子小林　信之鈴木　恒雄工藤　宏一郎高橋　光良^＊＊阿部　千代治^＊＊

〒162-0052　東京都新宿区戸山町1-21-1　国立国際医療センター呼吸器科〒104-0044　東京都中央区明石町12-1 ^＊中央保健所予防課〒204-0022　東京都清瀬市松山3丁目1番24号 ^＊＊結核予防会結核研究所

要旨

簡易宿泊施設つきのサウナで発症した肺結核再感染と思われる症例を検討した．感染源は61歳男性，被感染者は46歳男性で16年前に肺結核入院治療歴がある．感染源が入院した時点では被感染者の胸部写真は陳旧性肺結核の所見で痰の結核菌も塗抹培養陰性であった．被感染者は1年後に肺結核となり両者の分離結核菌のRFLP分析（restriction fragment length polymorphism analysis）は同一であることから被感染者の肺結核は外来性再感染の可能性が高いと考えられた．両者とも同一の簡易宿泊施設を長期にわたり利用していた．以上閉鎖された環境での長期間の接触では肺結核の外来性再感染が発症する可能性が示唆された．

キーワード

肺結核再感染 Restriction Fragment Length Polymorphism（RFLP）分析簡易宿泊施設内感染

Received 平成9年6月25日

日呼吸会誌, 36(4): 353-357, 1998

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