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日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 検索用
日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 全文PDF

書誌情報

症 例

乳糜胸を合併し,OK-432胸膜癒着療法が有効であった肺癌の1例

古賀 康彦1)2)  三田 佳伯1)2)  土橋 邦生2)  増尾 貴成1)  藍原 正幸2)  清水 泰生2)  梅枝 愛郎1)  森 昌朋2) 

〒370-2393 群馬県富岡市富岡2073-1 1)公立富岡総合病院内科 〒371-8511 群馬県前橋市昭和町3-39-15 2)群馬大学医学部附属病院第1内科

要旨

症例は66歳男性で血痰を主訴に来院.胸部CTで右肺門部腫瘤を認め,気管支鏡検査で右上葉支入口部を閉塞する腫瘤を認めた.組織診で中分化扁平上皮癌と診断し,放射線療法後,胸水が出現し,その後の化学療法後も徐々に右胸水の増量を認めるようになった.胸水中の中性脂肪1,547mg/dl,カイロミクロン5,000mg/dlと著明な高値から乳糜胸と診断した.乳糜漏出部位の検索のため,リンパ管造影後の気管分岐部の胸部CTで,右上葉の無気肺部分から造影剤の網状放散像を認めた.治療は,食事治療(脂肪制限)やミノマイシンの胸腔内注入を行ったが無効であったが,OK-432胸腔内注入により改善した.本症例は非外傷性に乳糜胸を来した肺癌でリンパ管破綻部位が推測でき,他の原因疾患で引き起こされる乳糜胸の保存的治療法の一つであるOK-432胸腔内投与法が有効であった1例を経験したので報告した.

キーワード

肺癌  乳糜胸  OK-432 

Received 平成10年9月22日

日呼吸会誌, 37(8): 627-630, 1999

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