少量のメソトレキセートの併用が有効と考えられた間質性肺炎を伴う皮膚筋炎の1例
〒594-0071 和泉市府中町4丁目10番10号 和泉市立病院内科
症例は44歳女性.平成9年8月発熱,全身倦怠感で当院受診.初診時血液検査では筋酵素の軽度逸脱と炎症反応を認めた.皮膚症状も考慮して皮膚筋炎と診断.胸部X線にて両側下肺野に網状陰影を認め経気管支肺生検を施行,間質性肺炎と診断した.ステロイドパルス療法後プレドニゾロン(PSL)60mg/dayとシクロスポリン(CsA)200mg/dayを開始,一時的に皮膚症状,間質性肺炎は改善したもののステロイド減量中に間質性肺炎の増悪と血中LDHの上昇を認めた.2回目のパルス療法後PSL 50mg/dayへの増量とCsAをメソトレキセート(MTX)7.5mg/weekへ変更したところ間質性肺炎の増悪は見られなくなった.予後不良群に属する皮膚筋炎に対し少量のMTX併用が有効であった1症例を経験したのでここに報告する.
多発性筋炎/皮膚筋炎 間質性肺炎 メソトレキセート シクロスポリン 免疫抑制剤
Received 平成10年11月9日
日呼吸会誌, 37(8): 636-640, 1999