サイクロホスファマイドのパルス療法が有効であった間質性肺炎を合併したamyopathic dermatomyositisの1例
高師 修治 大久保 喜雄 山崎 善隆 小泉 知展 関口 守衛
〒390-8621 松本市旭3-1-1 信州大学第一内科
症例は42歳男性.労作時呼吸困難,顔面および四肢の皮疹と胸部単純X線上両側下肺野中心に間質陰影を認めた.筋症状に乏しく,CPKの上昇なく,皮膚所見や皮膚生検の結果よりamyopathic dermatomyositis(ADM)と診断した.胸腔鏡下肺生検により肺病変はBOOP typeの間質性肺炎と診断され,プレドニゾロン(PSL)を60mg服用し,暫時減量中に臨床症状および検査所見の悪化のためcyclophosphamide(CPA)のpulse療法を計5回施行した.その結果呼吸困難,動脈血液ガスおよび肺機能が改善した.以後CPAの内服とPSLを併用して退院し,CPAは18カ月後に中止し,現在PSL5mg服用にて3年間経過するも良好な経過である.ADMに合併した間質性肺炎は急速に進行することが多く予後不良といわれているが,CPAのパルス療法によりBOOP typeの間質性肺炎が軽快した本例は貴重な症例と思われる.
Received 平成10年11月16日
日呼吸会誌, 37(8): 647-651, 1999