嚢胞状変化を呈した肺サルコイドーシスの1例
兼松 貴則 大串 文隆 小川 博久 西岡 安彦 篠原 勉 楊河 宏章 曽根 三郎
〒770-8503 徳島市蔵本町2丁目5-1 徳島大学医学部附属病院第3内科
37歳男性.25歳時に検診で胸部異常影を指摘され経過観察されていた.36歳時乾性咳嗽,労作時呼吸困難が出現し当科に入院した.胸部X線,CTで両上肺野に多発する嚢胞状陰影を,両中下肺野に塊状影および粒状影を認めた.全身検索中誘引なく気胸を併発し胸腔鏡下ブラ切除術を施行された.肺生検にて非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め肺サルコイドーシスと診断された.他臓器には病変を認めなかった.嚢胞状変化を呈するサルコイドーシスを病理学的に検討した報告は稀である.嚢胞状変化を伴うびまん性肺疾患の鑑別診断の1つとしてサルコイドーシスは重要であると思われた.
Received 平成12年4月10日
日呼吸会誌, 39(2): 117-121, 2001