活動性肺結核症に合併した細気管支肺胞上皮癌の2例
水谷 宏 堀場 通明 進藤 丈 木村 智樹 孫 政実 石川 貴之
〒503-8502 大垣市南頬町4-86 大垣市民病院呼吸器科
近年,我が国の肺癌罹患率は男女共に増加しており,悪性腫瘍による死亡者数において第一位となっている.また,特に肺癌の好発年齢層が結核既往感染率の高い高齢者であることから,日常臨床上両疾患を合併する症例に遭遇することも少なくなく,その報告も増加してきた.今回我々は活動性肺結核症として加療中にもかかわらず画像上増悪傾向を認め精査の結果,細気管支肺胞上皮癌(bronchiolo-alveolar cell carcinoma,BAC)の合併と判明した2症例を経験したので,臨床的検討および若干の文献的考察を加え報告する.
Received 平成12年6月19日
日呼吸会誌, 39(2): 145-150, 2001