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日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 検索用
日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 全文PDF

書誌情報

原 著

喫煙の有害性に関する市民の理解度:公開セミナーのアンケート調査より

高野 義久1)2)  興梠 博次1)  松本 充博1)  菅 守隆1)  安藤 正幸1) 

〒866-0884 熊本県八代市松崎町147 1)熊本大学医学部第1内科 2)たかの呼吸器科内科クリニック

要旨

市民が喫煙の有害性をどの位理解しているかはあまり知られていない.この問題を調査するため,第38回日本呼吸器学会総会市民公開セミナー出席者のうち389名を対象にアンケート調査を行った.対象は男性165名・女性224名,平均年齢58歳であった.喫煙状況は非喫煙者62%・元喫煙者25%・現喫煙者10%であった.総じて喫煙が疾患に関係すると答えた者は89%で,受動喫煙では87%が関係すると回答した.具体的には,肺癌では95%が関係ありと回答したが,肺気腫65%・慢性気管支炎68%・喉頭癌77%・心筋梗塞53%・動脈硬化49%であった.性別や喫煙状況では理解度に差はなかったが,年齢では高齢者ほど知識が乏しい傾向を示した.本研究の対象群は健康への意識が高いと推定されるにもかかわらず喫煙の有害性に関する理解は不十分で,一般市民の理解はさらに低い可能性が示唆された.

キーワード

喫煙の有害性  知識の欠如  情報提供 

Received 平成12年8月4日

日呼吸会誌, 39(6): 389-393, 2001

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