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日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 検索用
日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 全文PDF

書誌情報

症 例

高月病経過中に両側びまん性間質陰影を呈した細気管支肺胞上皮癌の一例

鹿島 正行  佐々木 昌博  伊藤 武史  渡邊 亜紀子  佐野 正明  加賀谷 学  三浦 傅 

〒010-0000 秋田市本道1-1-1 秋田大学医学部附属病院第2内科

要旨

症例は54歳,男性.昭和59年より高月病にて当院血液内科にて加療中,平成10年11月頃より,咳嗽および喀痰が出現,胸部レ線上,両側びまん性間質陰影を認めたため,平成11年3月当科へ紹介となった.胸部CT像では,両側の中下肺野を中心に細気管支周囲の索状影や小葉隔壁の肥厚および,両側下肺野に多数の粒状陰影を認めた.気管支鏡下肺生検にて細気管支肺胞上皮一層を完全に置換する異型の著しい腫瘍細胞が増殖する腺癌の組織像を認めた.また一部には,粘液産生の多い肺胞上皮癌様の増殖も認めた.入院後,シスプラチンとドセタキセル併用化学療法3クールを施行しているが,症状の改善を認めるものの化学療法の効果判定ではほぼ不変であった.以上,当症例は,画像的にはびまん性間質陰影を呈し,組織学的には細気管支上皮を置換する形の肺腺癌を主体に細気管支肺胞上皮癌の混在したものであり,稀なものと考えられ,文献的考察を加えて報告する.

キーワード

気管支肺胞上皮癌  高月病  経気管支的肺生検  CA19-9  経気管支的散布 

Received 平成12年12月20日

日呼吸会誌, 39(6): 399-404, 2001

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