原発性肺癌の肺内転移との鑑別を要した肺内リンパ節の3症例
大山 眞一郎 村山 尚子 坂東 憲司 長谷川 吉則 谷口 万紀子 中田 益美 上田 哲也
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原発性肺癌で,原発巣とは別個に肺野末梢に小結節病変が存在し肺癌の転移かどうか鑑別が困難であったが,開胸生検にて肺内リンパ節と診断され,治癒切除が可能であった3例を報告する.3例とも重喫煙者で,原発性肺癌の他に気管分岐部より下方に径10mm以下の辺縁明瞭な孤立性結節影を認めた.肺癌症例で原発巣以外に小結節陰影を認めた場合,直ちに肺内転移と考えずに肺内リンパ節の可能性も念頭に入れて手術適応を検討する必要があると考えられた.
Received 平成12年9月11日
日呼吸会誌, 39(6): 434-437, 2001